2023年 7月 4日

米国でも、Z世代(1997年から2012年の間に生まれた人々)が飲酒年齢に達し始める伴い、飲料メーカーには、如何に彼らを自社ブランドに惹き付けるかがマーケティング戦略の主要テーマとなりつつある。

生まれた時から豊富な選択肢がある状態に慣れ親しんでいるZ世代は、メーカーが提供するものに自分を合わすことはなく、自分の好みにぴったりと合うフレーバー、あるいはブランドを探し求め、選び、消費する。メーカーは、長年高い人気を誇る製品に今までのように多大な宣伝費をかけるよりもむしろ、Z世代に的を絞り、この世代の嗜好を意識して新製品開発に注力し始めている。飲料の場合、その嗜好とは概ね、ビールはさらにライトに、コーヒーはホットではなくアイス...等々。

キューリグDr.ペッパー社は、若い世代のコールドブリュー好きに応え、大きめのグラス・サイズにも対応する新型アイスコーヒー・マシン“K-Iced”を今年発表した。

スターバックス社は、2016年からあるコールドブリューに加え、2021年、Iced Shaken エスプレッソを発表した。

ビールでは、ハイネケン社が、開発に数年を費やしたと言う“ハイネケン・シルバー”を米国で今年3月に発表。特に若い消費者を意識して作られたこのビールは、同社の旗艦ビールよりもよりライトに、苦みも抑え、カロリー・炭水化物ともに低く抑えている。発売と同時に、米国でZ世代に人気のミュージック・フェスティバル“コーチェラ”、及び、F1マイアミ・グランプリを後援した。その成果は既に数字に表れ、過去13週間のハイネケン・シルバーの米国小売店売上は、既にハイネケン・ライトを上回ったと業界アナリストは伝えている。

The Wall Street Journal, July 3, 2023

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