酒飲み人口第1位の州で広がるノンアルコール・バー
2023年 5月30日
米国ウィスコンシン州ラシーンにあるバー “Inmoxicated” は、ビール、カクテル、ワインをそろえ、時にはカラオケ・ナイトやミュージック・イベントを行う典型的なバーである。ただ、一般的なバーと一つだけ明確に異なる点がある。それはアルコール飲料を一切置いていないことである。
昨今、ノンアルコール飲料を提供するバーは多く見られるようになったものの、ここ2年の間に急激に州内でも増えつつある、このInmoxicatedに代表されるようなバーは、barではあるが、ノンアルコール飲料しか提供していない。
2022年の全米世論調査では、成人の65%が飲酒すると報告されたが、ウィスコンシン州では、その飲酒そのものが文化の一部であり、しかも、過度の飲酒で知られている。ウィスコンシン州は全米で “大酒飲み”が最も多い州であり、同州に住む成人の25%以上が過度に飲酒する傾向がある、とデータ分析/解説レポート24/7Wall St.の2021年調査は報告した。米国で最も大酒飲みが多い郡 (county) トップ50では、ウィスコンシン州の郡が41を占めたほどである。
「アルコール依存症治療中で断酒をしている人々のために開業したのでは決してないが、その日は飲みたくないけれども、夜は存分楽しみたい人、禁酒をしているが、ナイトライフを全て失いたくない人、アルコール飲料・酔っ払いの存在を回避したい人、これら全ての人達にも、夜を充分に楽しんでもらいたいとの想いから生まれた」と、Inmoxicatedのオーナーは創業の経緯をこう述べている。
Wausau Pilot & Review, May 24, 2023