トレンドはスリムな飲料缶

2023年 4月 4日

消費者の目を惹く上で、飲料容器の形状・デザインは重要である。今、米国のスーパーの売り場では、従来の小さく丸みを帯びた缶よりも、はるかにヘルシーであると消費者に言わんばかりな、新しい飲料が多く採用している、細く長い(skinny)缶が目に留まる。

Topo Chico (ハード・セルツァー)、Simply spiked(フルーツフレーバー・アルコール飲料)、Sunny D (ウォッカ・セルツァー)などのアルコール飲料から、Day One(スパークリング・ウォーター)、Celsius (エナジードリンク)、スターバックス・スパークリング・ジュースブレンドまで多くの飲料ブランドが、最近、細身のスリムな缶で新製品を発表している。コカ・コーラ社も、昨年、with Coffeeでスリム・タイプの缶を採用した。そもそもスリムな缶を広めたのは、初めて採用を試みたブランドの一社であったレッド・ブル・エナジードリンクであった。その後、ホワイト・クローが、印象的なスリムで白い缶でハード・セルツァーを成功に導いた。

スリム・タイプの缶は、飲料メーカーにとっては、売り場での差別化のみならず、輸送・保管でのスペース有効活用に伴うコスト削減にも寄与すると言う。

これまでは、スリム・タイプと同じ容量の12oz缶でありながらも、小さめで横幅があるどっしりタイプの方が、缶胴に飲料宣伝のための様々なデザインを施すスペースが広くあるという意味で採用されることが多かった。

2011年、ニューヨーク・ファッション・ウィークのイベントを利用して、“細い(skinny)”を強調した宣伝文句とともに敢えてスリム・タイプの缶を採用したペプシ・ブランドの場合には、米国摂食障害協会等から“思慮に欠け無責任だ”と非難が向けられたこともあった。

それがなぜ今、再び注目されるようになったのか。スリムな缶の方がプレミアム、新しさ、を感じるということ、それゆえ人目を惹く、ということが主な理由の様である。

CNN Business, Mar.30, 2023

業界情報一覧