ハードセルツァーからウォッカへ

2023年 3月28日

ホワイト・クロー(White Claw)の名を聞いてハード・セルツァーを連想しない人は、米国ではいないであろう。そんなハード・セルツァー米国売上ナンバー・ワン・ブランドのホワイト・クロー (米国シカゴ)が、今回、ウォッカ製品を発表し、蒸留酒カテゴリーに参入した。

ビンに入ったWhite Claw Premium Vodka、そして、12ozスリム缶のWhite Claw Vodka + Sodaの2つのタイプをそろえたプレミアム・ウォッカである。100%米国産穀物を原料とし、独自に開発した“非常に複雑な醸造工程”を経て仕上げたウォッカであると、同ブランドを持つマーク・アンソニー・ブランズ社はコメントしている。2020年に、米国酒類取引に関わる法規制で、“クセ、味、香りがごくわずかで、無色透明なもの”というウォッカの定義がなくなったことが、今回のウォッカ製品開発の一つのきっかけになったと言う。

ハード・セルツァーからウォッカに重点を移したのは、ホワイト・クローだけではない。

ハード・セルツァーではホワイト・クローに続く全米売上第2位のTrulyブランド(ボストン・ビール社)は、ホワイト・クローに先駆けて昨年10月、Trulyウォッカ・セルツァーを発売している。その後、商品名をTruly Vodka Sodaに変更してブランド再生を図り、既に認知されているTrulyの名を利用しながらも、セルツァーとは距離を置くスタンスを取っている。

米国で数年前から猛烈な勢いで売上を伸ばし続けたハード・セルツァーの人気は、消費者の関心がRTDカクテルなど新たなアルコール飲料へ移るに従い、下火となってきている。

FOOD DIVE, Mar.22, 2023 / CSP, Mar.21, 2023

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