ハワイのもう一つの見どころ、飲料缶
2023年 2月21日
ハワイを訪れると、飲料缶が、米国他州の缶とは多少異なることに気が付く。
ハワイで見られる飲料缶の中には、缶上部のネック部に4つの段が設けられ、そこから徐々にすぼめられた缶胴のトップに、206径と呼ばれる缶蓋が装着されている缶がある。飲料缶は、缶の口径を小さくすることにより、缶製造に必要とされるアルミの量を軽減できるため(結果として炭素排出量削減にも貢献)、現在では、206径よりも小さな202径が主流となっている。
ハワイ州では、ひと昔前のこの206径缶をいまだに製造している、全米では唯一の州である、と地元日刊紙Honolulu Star-Bulletinは伝えている。
80年代後半を米国で過ごしたことのある人は、このネック部に段の付いた、がっしりした缶を懐かしく感じるかもしれない。206径飲料缶は、1987年に米国ソフトドリンクの缶用に初めて採用されたが、4年後には、業界による軽量化推進で、製造は中止となった。
今日、206径缶は、ハワイにて、コカ・コーラ、トロピカーナ、ペプシに代表される人気ブランドを含むソフトドリンク、クラフトビールなどで使用されている。
世界最大の飲料缶製造会社ボール社がここハワイに持つ、小規模な製造工場で206径缶を製造しており、また、ハワイ最大のクラフトビール醸造会社Maui Brewing社は地元小売店向けの製品に206径缶を採用している。
ハワイでは確かに、清々しい自然の光景や美しく輝く砂浜に目を奪われるが、スーパーに立ち寄った際にはアルミ飲料缶にも目を向けたい。
VinePair, Feb.16, 2023