ノンアルコール・ビール事情
2023年 2月 7日
年末ホリデーシーズンでの飲み過ぎを反省し、年初1月の1か月間だけはお酒を控え、増えた体重を少しでも減らし、その分お金も節約しようと提唱する英国の慈善団体による“Dry January”活動は、今や米国にまで広がっている。しかし、昨今のノン・アルコール飲料の人気上昇で、お酒を控えるのは1月に限る必要もなさそうである。
そもそもなぜアルコール飲料を飲むのかと言えば、一つには心身がリラックスできるからというのも多く聞かれる。この点に注目したのが、英国のノンアル・ビール醸造会社Impossibrew社で、天然成分を利用して、ビールを飲んだときと似たようなリラックス感が得られるアルコールゼロ・ビールを開発したと言う。これが実際にその通りであれば、将来、CBD(大麻成分の一種)飲料と競合することにもなりそうである。
スポーツ・イベントを後援するアルコール飲料ブランドに対する規制も最近では厳しくなっている。中東諸国が世界のスポーツ・チームやイベントへ強い影響を及ぼすようになっている昨今ではなおさらである。ノンアルコール・ビールであれば、問題はない。ハイネケン社は、同社が後援者を務める、世界的に知られるF1レース、及び、UEFAサッカー欧州チャンピオンズ・リーグで、ハイネケン0.0ノンアルコール・ビールを前面に押し出し、そのブランド・イメージをスポーツと関連付けることに既に成功している。つい最近カタールで開催されたFIFAワールド・カップのスポンサー、アンハイザー・ブッシュ・インベヴ社もまたBud Zeroを中心に掲げ、役割を務めた。
英国では、ノンアルコール・ビールの売上は、過去5年間で倍増しており、2026年まで毎年12%伸びると予想されるほどの勢いである。
Beverage daily.com, Feb.6, 2023