世界で人気高まるRTDコーヒー

2023年 1月31日

米国のZ世代(1990年から2000年くらいに生まれた世代で、デジタル・ネイティブと言われる世代)は、ホットコーヒーよりも、缶から直接飲めるRTDコーヒーを好んで飲む人の方が多いとの調査結果があり、大小規模に関わらずあらゆる飲料ブランドが、このカテゴリーの製品開発・拡張に努めている。

比較的短期間で消費される日用消費財(FMGC)メーカー大手は、当然のことながら、RTDコーヒーの急成長を察知し、すばやく動き始めた。ペプシコ社は、長年のスターバックス社との契約関係を活かし、米国でRTDコーヒーを販売している。スターバックス社は他方でネスレー社と組み、東南アジア、オセアニア、中南米各地域でRTDコーヒーを発表した。そして、英国で既にブランドを確立し、今はコカ・コーラ社傘下にある英国コーヒー・ブランドのコスタ社は、世界に目を向け、欧州、中国、日本でRTDコーヒーの販売を既に開始している。

最近では、従来使用しているコーヒー豆を焙煎せずに生豆のまま成分を抽出した飲み物‶グリーン・コーヒー″や、コーヒー豆を一切使用せず、代わりにチコリ・ルート、デーツ、レンティル等の食材を発酵工程で加えコーヒーに近いアロマと味を醸し出す飲料で差別化を図る新興企業も出てきている。

インフレに直面してもコーヒーだけは諦めたくないと思う消費者は、地域に関わらず、多いであろう。しかし、そのコーヒーをどのように飲むか…は常に変化している。

Beverage daily.com, Jan.25, 2023

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