空缶を販売、中には自家製カクテルを
2022年 8月 4日
米国の飲料ブランドはポートフォリオ拡張を狙い、最終的にハード・セルツァーに行き着くというパターンが多く見られる最近のアルコール飲料業界で、ウォッカ・ブランド“Tito’s”(米国テキサス州)が今回発売するのは、空缶、である。
蒸留酒ブランドのTito’sは、新製品 “Tito’s in a Can” を発表した。缶には、ミックスされたセルツァーのような飲料が入っているわけではなく、消費者が入手するのは、リフィル可能な、16ozの二重断熱構造のステンレススチール缶と再封可能な缶蓋だけ。この缶で、消費者に好みに応じた自分だけのカクテルを作り、缶に入れて味わってもらうことを提案している。
この缶を開発した理由は、Tito’sウォッカのファンに、自分好みの高品質セルツァーを提供したいから、とのこと。つまり、何よりも鮮度が高く、そして、好みに応じて、アルコール含有量を多くしたり、炭酸を加えたり、シトラス系にしたりなど消費者自ら好きに作ることができるからである。
バドワイザーに代表されるようにハード・セルツァー市場に参入し、その後製品の売れ行きも好調であるブランドもあれば、Tito’sやモルソン・クァーズ社のように、どちらか言えば、トレンドから出来る限り距離を置き、徹底した差別化を図るブランドもある。
Tito’s in a Can売上で出た利益は全て、同ブランドが提携する非営利団体へ寄付される。
Adweek, Aug.3, 2022