米国クラフトビール業界、業績回復

2022年 5月31日

米国のクラフト・ビール醸造所は、米国人にとっては、家族や友人と集まる憩いの場所である。その場所を特別に愛する“パトロン”らが醸造所の事業継続を支え、それは、長期的には地元産業の支援にもつながる。それゆえ、ここ2年にわたるコロナ禍による外出規制で、全米のクラフト・ビール醸造所が苦境に立たされたのもうなずける。

米国ブリューワーズ協会(Brewers Association)によれば、 2020年、クラフト・ビール醸造所の販売数量は、前年比9%以上減少し、売上上位50社のうち36社が2019年と比較し生産量減を訴えたと言われている。

そんなクラフト・ビール業界にも、ようやく、春が訪れたようである。米国ブリューワーズ協会が発行するNew Brewer誌5月/6月号は、クラフト・ビール醸造所全米売上上位50社のうち36社で、2021年1年間にビール生産量が増加したことを伝えている。最も多い生産量増加を報告したのは第2位のボストン・ビール社で、計180万バレルのビールを生産した。

業界全体としては、2021年、米国でクラフト・ビールの小売売上高は268億ドルを超え、前年比21%増となった。さらに、業界全体の生産量もまた、同7.9%増を報告した。現在、クラフト・ビールは、1,000億ドルの米国ビール市場で、27%を占める存在である。

VinePair, May 25, 2022

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