米国で最も売れている蒸留酒 ウォッカ の行方

2022年 3月15日

70年代から現在に至るまで米国で常に売上1位を誇る蒸留酒、ウォッカ、は、2021年には73億ドル以上の営業収益を記録した。しかし、数年前より、テキーラやウィスキーなど他の蒸留酒が市場シェアを拡張し始め、ウォッカの勢いは翳りを見せ始めている

そして、今、ロシアによるウクライナ侵攻をきっかけに、そのウォッカのロシアとの歴史的つながりが米国内で取り沙汰され、ロシア産ウォッカのボイコット運動、輸入禁止にまで発展している。

しかしながら、米国へ輸入されるウォッカは、国内販売数量の1%にも満たないのが実状である。米国で消費されるウォッカのおよそ半分は米国産であり、また、実際、米国で最も売れているウォッカは、米国テキサス州オースティン産のTito’sウォッカである。その他、常に売上上位に入るウォッカと言えば、アイルランドを拠点とするディアジオ社ブランドのSmirnoff及びKetel One, スウェーデンで作られるAbsolute、フランス産のGrey Goose、米国カルフォルニア州E&J Gallo社による New Amsterdam等である。

ロシアは確かに全生産量の30%を占める世界最大のウォッカ生産国ではあるが、その90%以上は、国内で消費されている。

ウォッカは、米国で、今後数年間ほどは、引き続き蒸留酒売上ナンバー・ワンの地位を維持するであろうが、かつて見せたような圧倒的“主役”に返り咲くようなことはもはやないであろうと、ある蒸留酒/カクテル史学者はコメントしている。

CNBC, Mar.12, 2022

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