米国アルミ飲料缶不足はピークを越えたか
2022年 1月18日
米国内の飲料缶不足のために輸入しているアルミ飲料缶の数が、過去2年間で初めて減少を見せたと、米政府の調査は伝えている。
昨年11月に輸入した飲料缶数は合計7億7,600万缶で、前月10月の9億5,500万缶と比較し18%減少した。
コロナ禍により世界各地で供給網の混乱が続いており、昨年11月の飲料缶輸入数量もこのために一時的に減少したとも考えられる。
コロナ禍の2年間、消費者からのリサイクル可能な容器採用の要望、ハード・セルツァーやRTDカクテルに代表される新世代飲料の売上急上昇、外出規制でオンライン購入が増え、配送や家での消費に便利な缶飲料の需要増等、これらの要素全てが、米国で深刻なアルミ飲料缶不足を引き起こし、その状況がいまだに続いている。製缶会社は、自らの生産能力増強の完成を待つ間、輸入缶に依存せざるを得なかった。
不足が最も叫ばれた昨年には、月に15億缶近く輸入することもあった。2021年の輸入缶総数は、現時点で正確な数字は出ていないものの、既に2020年の110億缶を上回り、2021年11月末時点で143億缶に達したと伝えられている。
世界最大の飲料缶製造会社のボール社は、昨年、米国アリゾナ州グレンデール、及び、ペンシルバニア州ピッツトンに建てた新しい飲料缶製造工場の稼働を開始した。キャンパック社(ポーランド)もまたロシアで新工場を完成、稼働を始めている。
The Canmaker, Jan.14, 2022