CBDはハード・セルツァーを復活させるか
2021年10月 7日
ホワイト・クローとともに米国ハード・セルツァー市場を独占しているボストン・ビール社のトゥルーリ―(Truly)ブランドは、今年第2四半期に入り、それまでの3桁売上増の勢いが急激に落ち、競合ブランドにもシェアを奪われつつある。そのため、ハード・セルツァーの人気に陰りが見え始めたとの声もちらほらと聞こえてくる。
米国でのハード・セルツァーの爆発的売上増は、コロナ禍で在宅を余儀なくされた消費者が大量に買いだめに走ったこと、同時に、消費者が健康志向に普段以上に傾いたことに大きく関連していた。規制が解除され、飲食店の営業が再開した今、バーやレストランでは他のアルコール飲料に比べ存在の小さいハード・セルツァーの売上が、低迷し始めている。消費者の73%が、ハード・セルツァーを家で飲んでいると答えている調査結果もある。
ハード・セルツァー売上回復が期待できる一つのアイデアとして、CBD (大麻成分の一つで、精神活性作用がなく、睡眠障害改善や慢性的痛みの緩和を促すと言われる) の利用がある。米国では娯楽のための大麻(cannabis)使用を合法化した州はまだ少ない。家でハード・セルツァーを飲むことが習慣化されているのであれば、CBD入りハード・セルツァーは、最適な飲料になりそうである。
今年8月、ボストン・ビール社は、いずれもカナダで大麻製品の開発・生産を手掛けるEntourage Health社の子会社、及び、Peak Processing Solutions社との提携を発表、今年後半に、カナダにて、CBD入り飲料を発売する予定である。
The Motley Fool, Sept.23, 2021