ビール大手のハード・セルツァー、存在感徐々に

2021年 8月17日

米国人であれば誰もが知る、歴史あるビール・ブランドのバド・ライト(アンハイザー・ブッシュ・インベヴ社)、及び、コロナ(コンステレーション・ブランズ社)が、急成長するハード・セルツァー・カテゴリーにおいて、先駆ブランドであり、現在、ハード・セルツァー市場で3/4近くのシェアを持つ2ブランド - ホワイト・クロー(White Claw)及びトゥルーリー(Truly) - を押しのけシェア拡大を目論んでいる。

バド・ライト、コロナ両ブランドは、コロナ禍で消費者の家でのアルコール飲料消費が習慣化された2020年前半に、ハード・セルツァー製品を発表した。米国でのビール消費量減少が既に長らく続いている頃でもあった。昨年、ビール消費量は全体で2.8%減少したが、国内ハード・セルツァーの消費量は前年比130%増えた。

両ブランドは、消費者に馴染みがある〝コロナ″や〝バド・ライト″の名をハード・セルツァー缶に掲げて発売し、既にビールで信頼を確立している消費者へのアピールを試みている。

2019年、ハード・セルツァー売上ナンバー1のホワイト・クローの市場占有率は実に56.5%であったが、翌年それは49.5%に下がった。シェア第2位のトゥルーリーは、2018年からシェアを落とし続けている。

直近の今年第2四半期、トゥルーリーの売上は、予想よりも下回り、これまでノンストップで続いていた勢いがついに衰え始めたかと見る向きもあるが、新参者のバド・ライト及びコロナの親会社は各々売上増を見込んでおり、独占的シェア獲得を狙い意欲的である。

CNBC, Aug.3, 2021

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