ビール以外のアルコール飲料へ
2021年 8月10日
米国の飲料メーカー、モルソン・クァーズ社に、この第2四半期、四半期売上としては過去10年以上ぶりの最高売上をもたらしたのは、ビール以外の飲料であった。
同社のハード・セルツァー・ブランドであるVizzy、コカ・コーラ社と販売面で提携するTopo Chico ハード・セルツァー、並びに、元プロレスラーの米国人気俳優ドウェイン・ジョンソン氏とともにプロデュースしたエナジードリンクZoaの売れ行きがそれぞれ好調で、直近の第2四半期収益も予想を上回った。
好調な業績報告と同時に、モルソン・クァーズ社は、ミルウォーキーズ・ベスト・プレミアム、キーストーン・アイスなどを含む、お値段手頃な11の “エコノミー” ブランドの販売を中止することも明らかにした。
同社は、ここ数年間世界的に急成長を遂げているハード・セルツァー・ブランドへの投資を増やし、同社ブランドの“プレミアム化”に注力しながら、ブランドの合理化も引き続き進める。
来る9月1日には、ケンタッキー州のバーズタウン・バーボン社の協力を得て開発した“Five Trails”アメリカン・ウィスキー発売も控えている。
一方で、ハード・セルツァーの先駆者であり、White Clawブランドに続きシェア・売上ともにナンバー2を維持するTrulyブランドのボストン・ビール社は、同じ第2四半期、ハード・セルツァーの売上を思うように伸ばせず、収益を落としたため、同社株価が一時暴落した。ボストン・ビール社を有名にしたのは、旗艦ビールのサミュエル・アダムズであったが、現在では、例えば7月10日までの4週間、同社販売数量の7.9%しか占めていない。その期間、実に84%を占めたのはハード・セルツァーTrulyとアルコール入りアイスティーのツイスティッド・ティーである。
The Wall Street Journal, Aug.4, 2020 / Vineyard, Aug.9, 2021