製缶業者、米国の缶回収プログラムに助成金を提供
2025年 2月18日
Ardagh Metal PackagingとCrown Holdingsは、米国のCan Manufacturers' Institute(CMI)の飲料缶回収プログラムを支援し続けている。アラバマ州とカリフォルニア州の素材リサイクル施設(MRF)には、新しい設備を導入するための助成金が提供され、毎年さらに3100万本のアルミニウム飲料缶が回収される見込みだ。
米国で生産される1200億本の飲料缶のうち、リサイクルされるのは半分未満で、60億本以上が埋立地に廃棄されており、その重さは80万トンを超え、スクラップ価値は約11億ドルに相当する。CMIは、アラバマ州とカリフォルニア州のMRFでの缶の収集とリサイクルから得られる収益が50万ドルに達し、CO2排出量を760万マイル以上の走行に相当する量削減すると見積もっている。
Crown Holdingsのジョン・ロスト副社長は、即時的な対策として、リサイクルのために数百万本の缶を回収する最良の方法は、素材回収施設で誤って仕分けられた缶を回収することだと述べている。Crownは、迅速にリサイクルアルミニウムを提供できる設備の資金提供を行っており、この素材を活用して、業界全体でリサイクル含有率71%を基盤にさらなる進展を遂げることができると強調している。
AMP-North Americaのイェンス・イリオンCEOは、缶を誤って仕分けることで、米国のリサイクルシステムは収益の増加、米国の循環型経済の強化、炭素排出量の削減等あらゆる機会を逃すと述べ、Ardagh Metal Packagingは適切なリサイクルを支援する役割を果たしていると述べている。
助成金は、アラバマ州バルドウィン郡の公共所有のMRFに提供され、エディ電流分離器が設置される予定だ。この設備により、毎年516,000ポンド(約1,790万本)の新しいアルミニウムが回収されるとされている。また、カリフォルニア州ガルトのMRFにもアップグレードが行われ、AI認識技術を使用して缶が仕分けられることにより、毎年388,000ポンド(約1,350万本)の新しいアルミニウムが回収される見込みだ。
2024年12月に発表された報告書によると、米国のアルミニウム飲料缶の消費者リサイクル率は43%で、欧州より低いが、ガラス瓶(39.6%)やPETボトル(20%)よりは高い。また、アルミニウム飲料缶の1トンあたりの価値は1,338ドルとされているが、米国の金属市場では変動する可能性がある。
CMIは、2030年までにリサイクル率70%、2040年までに80%、2050年までに90%を達成する目標を設定しており、この缶回収設備助成金と収益分配融資プログラムは、これらの目標を達成するための重要な取り組みの一環だとされている。また、このプログラムはThe Recycling Partnershipにも支援されている。
The Canmaker, February 13, 2025