アルコア、米国関税政策に応じ輸出先変更か

2025年 1月30日

米国はカナダやメキシコを含む多くの国々に関税を課す意向を示しており、これによりアルミニウムの輸送の流れが大きく変動する可能性がある。

 

アルコアは年間220万メトリックトンのアルミニウムを生産しているが、そのうち90万メトリックトンはカナダで製造されており、その多くは米国に送られている。アルコアのCEOウィリアム・オプリンジャーは、米国がカナダからの輸入に25%の関税を課す場合、カナダで生産されたアルミニウムは輸出先を欧州に変更する可能性が高く、代替として同社オーストラリアのアルミニウム生産分を米国に輸出する可能性があると述べた。

 

関税が導入されると、米国のアルミニウム消費者には15億ドルから20億ドルの追加コストが発生し、パッケージングや自動車産業が最も影響を受けると予想されている。

 

一方、アルコアの最大市場である欧州では、同社は低炭素アルミニウムを供給しており、ほぼ半分の生産量が欧州に出荷されている。この低炭素アルミニウムはクリーンエネルギーを使用して製造されるため、プレミアム価格がつけられており、需要は今後増加すると見込まれている。

Reuters, January 24, 2025 The Metal Packager, January 28, 2025

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