Stoli Group USAとKentucky Owlが破産申請
2024年12月12日
Stoli Group USAとそのKentucky Owlブランドは、先週テキサス州でチャプター11の破産保護を申請した。
アメリカに拠点を置くStoli Group USAは、低価格ウォッカブランドの親会社であり、Kentucky Owlブランドも所有しているが、最近多くの問題に直面していた。
最も深刻なのは、2ヶ月前に受けたサイバー攻撃で、同社のERP（企業資源計画）プラットフォームと運営システムが機能不全に陥り、手作業での事業運営を余儀なくされた。この攻撃は、現代の経済ではほぼ不可能な運営方法を強いるものとなった。
また、ロシアにある生産施設がロシア政府によって押収されるという苦境もあった。
ロシアに残る生産施設は、ソ連崩壊後に民営化された施設であり、ロシア政府はこれらの施設を再び掌握したいと長年注目していた。今夏、ついにロシア政府は100百万ドル相当の2つの施設を押収し、Stoli Groupとそのオーナーをウクライナ戦争への反対を理由に「過激派」とした。この影響がアメリカの子会社にも及び、経営に困難をもたらした。
さらに、アメリカのスピリッツ市場全体が縮小し、特にウイスキー市場が停滞している中で、Stoli Group USAはKentucky Owlのブランドを高級化し、拡大しようとした。しかし、高価格帯のウイスキーが過剰に供給され、Kentucky Owlは100～150ドルの価格帯で売れ残ることが多く、割引販売されることが増えた。このような市場環境が、同社の経営を圧迫した。
その結果、Stoli Group USAとKentucky Owlは合計で8400万ドルの負債を抱えることとなり、破産申請に至った。
なお、Stoli Group本体（ルクセンブルクに所在）は破産していない。
BeverageDynamics, December 3, 2024