PET、インドのエナジードリンク市場拡大に貢献

2024年 7月25日

エナジードリンクはインドで長い間高級品として扱われており、2009年のデビュー以来その頂点に君臨してきたのがレッドブルだ。

 

ペプシコ社はこの牙城を崩し、エナジードリンクのカテゴリーを“民主化”し、より幅広い消費者層を惹きつけ開拓するため、2017年、250ml缶あたり50インドルピー、レッドブルの半額近い価格で販売するエナジードリンク「スティング」に参入し、マスマーケティングを仕掛けた。

更に、2020年、ペプシコはスティングを250mlペットボトル入りで20インドルピーの価格で発売を開始。

プレミアムブランドにとって金属缶飲料は好ましいパッケージであったが、価格を重視し、ペットボトルでの販売に踏み切った。

ボトリングにおいては地元のヴァルン・ビバレッジズ社との戦略的パートナーシップにより、コストをコントロールできるようにした。これによりインフレ時の価格上昇を抑えることに成功し、製品を輸入しているレッドブル社に対して大きなアドバンテージを得た。

この価格戦略により、オフトレード・エナジードリンクのマーケットボリュームは、2018年から2023年にかけて年間平均成長率97%で成長し、スティングがトップの座に上り詰めた。

 

コカ・コーラ社もペプシコ社に続き、2022年にThums Up Charged Berry Bolt(現在はChargedに変更)を発売し、定評のあるThums Up炭酸飲料ブランドの強みを活用した。両社とも、広範な流通網の恩恵を受けており、都市部と農村部両方の消費者にリーチできる。

大幅なシェアを奪われたモンスター・エナジーも間もなくお手頃価格の選択肢を導入する予定であるという。

 

飲料用アルミ缶だけでなく、PETボトルで製品を提供するという決定は、手頃な価格帯で製品の市場への浸透を高めリーチを拡大する上で有効であることが証明された。

スティングがエナジードリンク市場で頭角を現すにつれて、インドの清涼飲料市場包装全体の中でPETボトルの重要性も増し、インドでのペットボトルの使用は、今後数年間伸び続けると予想される。

 

ペプシコとコカ・コーラは、今後再生PET(rPET)による循環型経済への取り組みを強化し、PETボトルの回収とリサイクル、リサイクル施設でのrPETボトル生産に注力するという。

Euromonitor International, July 15 , 2024

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