米NYプラスチック削減法案、採決に至らず

2024年 6月21日

米国NY州議会で審議されていたプラスチック削減法案は、上院では37対23で可決されたが、下院では閉会日にまで及ぶ強い反対主張が繰り広げられ、採決に至らなかった。

 

この法案に対しては、包装材削減・リサイクル基盤法を支持する団体と反対する団体双方による激しいロビー活動が行われ、議論がヒートアップしたが、一先ずはクラフト・ハインツや農家を含む反対派の勝利となった。クラフト・ハインツは、ニューヨーク州ローヴィルにある同社の工場で製造されているフィラデルフィア・クリームチーズのような製品は、法案が可決された場合、同州で販売されなくなる可能性があると議員にメモで伝え、メモには、マヨネーズ、クールホイップ、コーヒー、サラダドレッシングなど、プラスチックで包装された他の製品の写真も掲載され、州内で販売されなくなる可能性を示唆していたという。農家からは、インフレと従業員コストの上昇で農家経済が苦境に立たされている時に包装コストが上昇することへの懸念が表明されていた。

 

現在ニューヨークでは、廃棄物やリサイクル品の収集、運搬、分別、処理は市町村が担っているが、住民一人当たり毎日平均5ポンドのゴミを排出しており、その多くは梱包材やリサイクル可能なゴミであるという。また、ニューヨーク州環境保全局は、州内にある25の市営固形廃棄物埋立地が15年以内に満杯になる可能性があると指摘しているため、両団体の歩み寄りによる何らかの取り組みは必須と言える。

 

他の4州(メイン州、オレゴン州、コロラド州、カリフォルニア州)でもすでに同様の法律が制定されており、同法案は年内に臨時議会が招集されれば、まだ議会で承認される可能性があるという。

The New York State Senate, June 7, 2024/The Post-Journal, June 12, 2024/Inside Climate News, June 14, 2024

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