飲料ブランドはラベルなしで成功できるか?

2024年 4月16日

コカ・コーラ社がイギリスの小売店でラベルのないスプライトを試験的に販売する。

同社は既に日本や韓国でラベルレスボトルを導入しているが、1本単位のラベルレス500ml ボトルを店頭で販売試行するのは初めてだという。

他のラベルレスの試みは、外箱にラベル情報を移したマルチパック製品か、ラベル情報がオンライン販売時点で表示されるオンライン販売の1本単位ボトルのみである。

マンチェスターの計8店舗で試行され、4店舗ではPOPや看板とともに販売し、もう半分は追加マーケティングなしで販売する。

このボトルの製品情報は、前面のエンボスロゴと背面のレーザー彫刻によって示され、商品認知は緑色のキャップやエンボススポットといった既存の特徴に頼っている。

 

これまでには世界でどのようなラベルレスボトルへの挑戦例があっただろうか。挑戦例をいくつか挙げる。

"evian pink "のボトルキャップ:

2020年、evianはラベルのないボトルを発売した。このボトルのために特別にデザインされた刻印と "evian pink "のキャップで商品の認知度は高かったが、当初の販売先はフランスのホテルやレストランに限られた。

 スイスのボトルウォーターブランド「VALSER(バルサー)」のラベルレスボトル:

 2022年、コカ・コーラHBCはスイスで試験的に、同社のボトル入り飲料水ブランド「バルサー」でブランド名と製品情報をボトルにエンボス加工した、ラベルのないボトルを発売した。

ラベル材料の削減を目指した取り組みに対する消費者の受容性を理解することを目的にしたこの調査では、高い製品認知度が示されたが、バルサーの重要な特徴であるミネラルの含有量の少なさを伝えることに課題を感じ、ラベルのないボトルはマルチパックでのみ販売することになった。

 ラベルレス ワインの成功:

 オーストラリアのワイン会社、フォース・ウェーブ・ワインズは昨年、ラベルのないワイン「クレート」を発売した。

ボトル開口部周辺のカプセルの小さなスペースに、必要なブランド情報をすべて載せ、ラベル印刷や接着剤、不要な包装材や廃棄物がなく、ボトリングラインでラベルを剥がすために使用するエネルギーを減らすことにも成功した。

 

このようなデザインは、実際、高級飲料の方がよく響く可能性がある。

オン・ザ・ゴー・コンビニエンス・フォーマットでは、多忙な消費者の注目を集めることが課題だが、ワインのようなカテゴリーでは消費者は割高な価格を支払うことを厭わず、時間をかけて商品を選択し、また、購入時点で持続可能性について考えている可能性も高い。

日本のように法律での制約から箱単位販売、あるいはボトル毎に製品情報のシールを貼ってのみラベルレスボトルを販売できる場合もあるが、サステナビリティへの注目の高まりから、今後も世界的にラベルレスボトル販売への試行は続くことになりそうだ。

Beverage Daily, March 15, 2024

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