米国ワイナリーがアルミ製ワインボトルを発売

2024年 2月22日

カリフォルニアのボーグル・ファミリー・ワイン・コレクションが、同社初の750mlアルミ製ワインボトルを発売した。

当初はグラスボトルの軽量化を試みたが、より急進的なアプローチが必要と判断し、三年近くもの開発を経てアルミボトルでの商品提供にこぎつけた。

同ワイナリーはアルミ製ワインボトルが環境問題への解決策を提供するとともに、新たな消費シーンを開拓し、ワイン産業を活性化させられると信じる。

 

Element[AL] として発売が始まったこのワインは100%リサイクル可能なアルミボトルで提供され、一般的な500グラムのグラスボトルに比べ、90グラムと80%も軽く、厚みの違いから大きさも若干小さくなっている。そのため全体重量を3%減少させながらも、トラック一台に43%増のワインケースを搭載することができる。

 

消費者反応につき同社が広範な調査を行ったところ、「ワインをアルミボトルで」との口頭説明だけでは拒否反応があったが、デザインが完成しビジュアルが伴うと反応は好転した。伝統的なボトルの形を踏襲したことが功を奏したことは明らかだ。他の飲料に使われるアルミボトルとは一線を画しボトルは洗練されたワインのシルエットをしており、一目でワインと認識できる。

また、分かりやすさのためにボトルの形状は維持したが、アルミボトルの特性は生かし、ボトルに直接印刷された360度の特注の手書きデコデザインを採用する。

 

ワインの品質がガラスと比べどのように保持されるかについて、長期的な調査を実施できていないが、米国でのワイン購入の大半は即時消費のためとの調査報告があり、ブラインド・テイスティング・テストでは1年間熟成させたワインは、アルミボトルとガラスボトルで味に違いはないという。 

 

アルミボトルの採用には充填ラインへの新機器導入や新キャップ対応のための細かい調整を要しラインスピードはグラスに比べて遅い。

グラスボトルと同じ金額で販売するため、現状では容器の占めるコストが高くなっているが、生産手順が成熟し、より多くのボトルが生産されるにつれて、コストは時間とともに低下すると同社は自信をのぞかせる。

 

2022年の調査によると、ガラス瓶はワイン産業にとってカーボン排出最大要因のひとつである。

Beverage Daily, February 13, 2024

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