世界最大のオンライン・アルコール飲料市場
2021年 2月16日
e-コマースは、消費者にとり、既にアルコール飲料の購入手段の一つではあったが、コロナ禍で、その重要性は劇的に高まった。この傾向は、世界各国で見られる中、米国は、2021年末までには中国を抜き、世界最大のオンライン・アルコール飲料売上を記録すると予想されている。
中国は、現在、世界最大のe-コマース・アルコール飲料市場として圧倒的な存在を誇る。その規模は、次に世界最大になると予想される米国の2~3倍の大きさである。中国で増え続ける中産階級の購買力により、この市場での売上は引き続き伸びることが期待される。一方、2020年、米国e-コマース・アルコール飲料市場は、通常3~5年かかる成長をわずか6ヵ月の間で経験してしまった。
2019年、米国におけるe-コマースでのアルコール飲料売上は、オフ・トレード(レストランやバーでの購入に対して、小売店、オンライン等での購入)販売数量全体の1%ほどに過ぎなかった(英国では6%、中国では4%)。これは、州ごとに施行されている、アルコール飲料のオンライン販売規制によるところが大きかった。しかし、2020年、新型コロナ感染症拡大の影響により、この規制が多くの州で一時的に緩和されるようになった。この変更がこのまま維持される州もあると見られる。これを受け、e-コマースへの投資を増やし始めた小売店、及び、ブランド・オーナーも増えている。最近のUber社によるアルコール飲料e-コマース・プラットフォームのDrizly社買収はその一例である。
2024年末までには、米国と中国の二国だけで、世界全体のe-コマース・アルコール飲料市場の70%を占めるものと見込まれる。
IWSR, Feb.9, 2021