米国、アルコール飲料消費量・消費者の変化
2020年 5月12日
新型コロナウイルス感染拡大による外出規制・自主隔離が続くこの時期、様々なアンケートが実施されている。アルコール飲料に関してもその例外ではない。
米国のテクノロジー企業、モーニング・コンサルタント社が米国人2,000人以上の成人に向けて最近実施したアンケートによれば、アルコール飲料を以前よりも多く飲むようになったと答えたのは16%であった一方、飲む量が減ったと答えたとのは19%であった。
ロンドンに拠点を置く調査データ分析会社のYouGov社もまた、これと似たような調査を米国成人12,000人を対象に行い、この状況下、通常よりも多くアルコール飲料を消費していると答えた人は、20%以上、以前よりも飲んでいないと答えた人が25%という結果を発表している。
これらの結果から判断するならば、この時期の米国全体のアルコール飲料消費量は減少していると見られるが、ニールセン社4月18日締めの7週間データによれば、実際には前年同期比24.4%増加したことがわかっている。ワイン(同29.4%増)と蒸留酒(同32.7%増)が最も増加しており、また、家庭で飲むビールもまた同11.8%増と増えていた。
この増加は、消費者の買いだめ傾向に加え、これまでレストランやバーで飲むことを常としていた人達が、それらの場所が休業を余儀なくされている現在、スーパーやオンラインで以前よりも頻繁にアルコール飲料を購入するようになっていることを示すものとニールセン社は見ている。
上記アンケートで飲む量が減っている人の方が多いという結果が出たのは、実際には、消費者がより値段の高いブランドやアルコール飲料に変えて飲んでいる、あるいは、家庭のワインセラー用に今は飲まないが購入している等が考えられる。 それでも確かに言えることは、米国消費者のアルコール飲料購入習慣が明らかに変化していることだと米国クラフトビールを代表する組織、ブリューワーズ協会はコメントしている。
米国・カナダにてオンラインでアルコール飲料を提供するDrizly社は、4月20日の週の売上が、通常この時期に予想される数字よりも437%上がったと報告している。この増加に大きく貢献している要因は、3月の発注量では42%を占めた新規ユーザーであるとも同社はコメントしている。
Forbes, Apr.30, 2020