ビールに代わる大麻、カナダ
2020年 1月14日
大麻を吸う人は増える一方で、飲酒する人が減少… 2018年7月後半にカナダで大麻が合法化されて以来、見られる傾向である。
カナダのビール消費量は、大麻合法後の2019年11月末までの1年で、前年同期比で3%減少した。一人あたりの年間ビール消費量も減少している。
このようなカナダでのビール売上減少の傾向は、大手アルコール飲料メーカーとカナダの大麻(cannabis)販売会社との事業提携を推し進めている。ビールメーカーのコンステレーション・ブランズ社(米国ニューヨーク州)は、カナダのキャノピー・グロース社と、アンハイザー・ブッシュ・インベヴ社(ベルギー)はTilray社と、また、モルソン・クァーズ社はHexo社とそれぞれ提携し、製品開発に注力している(弊社業界情報2019年8月3日付に関連記事)。
そうは言うものの、カナダの大麻市場はまだ小さく、最新データによる年間売上は、アルコール飲料230億カナダドル、ビール市場92億カナダドルに対して、15億カナダドルに過ぎない。しかしながら、前出の提携を通じ今後発表されると見られる大麻含有飲料は、ビール消費量の減少傾向を長引かせるものと予想される。
(Bloomberg, Jan.8, 2020)