ハード・セルツァーは一時的な流行か?
2019年12月19日
米国のハード・セルツァーはこのまま成長を続けるのか、あるいは、一時的な流行りとして終わるのか、これが、2019年の大半を費やして、ビール業界関係者が問い続けた疑問である。
ハード・セルツァーは、ビール・カテゴリーを広範囲に見た場合に含まれる、その中の非常に小さなニッチ商品に過ぎないと見る関係者もいる。
確かに今はそうかもしれない。しかし、2023年までには、米国でのハード・セルツァーの売上は、今の三倍以上になると予想されている。
米国でハード・セルツァーの代名詞とも言えるほど独占的売上げを誇っているホワイト・クロー (White Claw) を醸造するマーク・アンソニー・ブランズ社 (Mark Anthony Brands) は、直近過去4年の間、毎年、300%の売上増を見てきた。ホワイト・クローを一度買った消費者の30%が再び購入すると言う。
モルト・ベースのものを始めとして、ワイン、あるいは、蒸留酒から作られるものも含めたハード・セルツァーは、現時点で、米国アルコール飲料市場の約2.5%を占めている (ちなみにビールは約76%、ワイン 約11%、蒸留酒 約7%)。
そのほとんどが缶で売られるハード・セルツァーは、男性にも女性にもアピールしている点は、今後の成長を予測する上で重要である。
一方で、ハード・セルツァーの売上が、米国最大のビール・ブランドであるバドライトやクァーズ・ライトを含む米国ライト・ラガーの売上減少をさらに加速させる可能性をあると、ビール・メーカー経営陣の多くが懸念する。
(Forbes, Dec.10, 2019)