クラフトビールから、ハード・セルツァーへ
2019年12月10日
米国内で第三位のシェアを持つ米国大手アルコール飲料メーカーのコンステレーション・ブランズ社は、4年前に約10億ドルで買収したクラフトビール・メーカーのバラスト・ポイント社を売却することを明らかにした。
2015年の買収当時、米国クラフトビール人気は最高潮期を迎え、アンハイザー・ブッシュ・インベヴ社やハイネケン米国社もまた、売上を伸ばすクラフトビール・ブランド買収に走っていた。コンステレーション・ブランズ社は、同社のクラフトビール部門増強の目的でバラスト・ポイント社を買収したものの、2年後には、思うように売上が伸びない状況に苦慮していた。
米国では、健康意識の高まる今の若い世代の消費者が、ビールよりも低カロリーのハード・セルツァーを好む傾向が顕著であり、小規模クラフトビール・メーカーのみならず、コンステレーション・ブランズ社のようなグローバルな大型ビールメーカーにもプレッシャーを与えている。
コンステレーション・ブランズ社は、バラスト・ポイント社の買収以来、米国のクラフトビール・カテゴリーを取り巻く状況が劇的に変化しているとコメントしており、また、バラスト・ポイント社の売却により、同社の持つモデロやコロナに代表される輸入ビール・ブランド、及び、新製品開発に注力することが可能となる、とも述べている。
コンステレーション・ブランズ社は、春には、コロナ・ハード・セルツァー発売を予定している。
(Bloomberg, Dec.4, 2019)