急成長のハードセルツァー・カテゴリーに臨むアンハイザー・ブッシュ・インベヴ社

2019年11月 5日

世界最大のビールメーカー、アンハイザー・ブッシュ・インベヴ社は、米国アルコール飲料市場においてここ1、2年で急成長を遂げているハード・セルツァー (弊社業界情報2019年7月18日付に関連記事) カテゴリーの掌握に向かっている。
アンハイザー・ブッシュ・インベヴ (以降、ABI) 社は、ハード・セルツァーに見られる今の傾向には、数年前のクラフトビールが注目されはじめた時期と多くの類似点があるとコメントしている。ABI社が、当時人気急上昇中であったクラフトビール・メーカーのグース・アイランド社やブルー・ポイント・ブリューワリー社等の買収を通じて、ABI社のクラフトビール・ポートフォリオを増やし成功したが、その際、同社は、買収したブランドの売上を加速させるために、ビールで既に確立されている自身の流通機構を大いに利用したことはよく知られている。同社は、同様の戦略をハード・セルツァーにも採用することが可能である。
10月下旬、ABI社は、アルコール含有量5%のバドライト・セルツァーをまもなく発売することを発表した。
ハード・セルツァー・カテゴリーに参入するビールメーカーは後を絶たない。米国のビールメーカーのコンステレーション・ブランズ社は、ABI社が米国を除く海外市場で所有するメキシコのビール・ブランド、コロナのハード・セルツァー・バージョンを発表する予定であり、また、モルソン・クァーズ社は、Henry's ハード・スパークリングウォーターで、アルコール入りセルツァーのラインナップを発表したばかりである。一方、クラフトビールのパイオニア的存在で知られるボストン・ビール社、及び、北米のアルコール飲料メーカーのMark Anthony Brands社は、TrulyとWhite Claw各々のブランドで、現在、米国ハード・セルツァー・カテゴリーでトップの地位を争っている。

(just-drinks.com, Oct.28, 2019)

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