アンハイザー・ブッシュ・インベヴ社、中国への挑戦続く

2019年10月10日

9月末、傘下のバドワイザーAPAC社を香港取引所で上場させたアンハイザー・ブッシュ・インベヴ(以降、ABインベヴ)社は、今後ビールの売上伸長が期待される中国、韓国、インド、ベトナム、フィリピンを中心とするアジア地域、中でも中国での拡張狙っている。アジア地域の特徴としては、特に中国に顕著であるが、地元ビールが依然として市場を独占する状態にある。中国ビール市場に関して言えば、地域ごとに分断していることも、大手ビールメーカーの進出を困難にさせている。
世界最大のビールメーカーであるABインベヴ社は、中国では、第三位のシェア16%を占めるに過ぎず、また、東南アジア地域においては、上位10位にも入らないのが現状である。
ハイネケン社は、昨年、世界で最も売れているビール“スノー”ブランドを持ち、また、中国では25%のシェアを持つチャイナ・リソーシズ・ビール社の株式40%を取得し、中国市場に臨んでいる。ABインベヴ社にとり、小規模な地元ビールメーカー買収を今後も進めていくことが戦略のひとつであるかもしれない。
一方で、中国消費者のアルコール飲料の嗜好が、ビールから、蒸留酒やワインに移行しつつあるとの市場調査会社ユーロモニター社による報告もある。さらに、中国でウルトラ・プレミアム蒸留酒と言われる白酒(パイチュウ)の売上好調が続いている。白酒メーカーのKweichow Moutai社の収益は、2015年から2018年にかけて倍増したと報道されている。(弊社業界情報2019年6月25日付に関連記事)

(CNBC, Oct.6, 2019)

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