将来のワインは、缶が主流となる?

2019年 8月29日

「ワインのビール化」 従来のビンとともに缶でもワインを提供するユニオン・ワイン社創設者は、最近の缶ワイン売上増をこう描写する。「我々の素晴らしいクラフトワインを、面倒なこと抜きで味わってもらいたいという想いを具体化する製品を作りたかった」と同氏は言う。
長年、缶ワインは、カテゴリーに分類すらされない存在であったが、近年徐々に一時的な流行としてその存在が広く知られるようになり、今日では、成長を続ける、“一人前”のワイン・カテゴリーとして認知されつつある。米国では、今年6月15日締めの52週間の小売店での缶ワイン売上が、前年同期比69%増加したとニールセン社による市場調査は報告している。この数字は、缶ワインがもはや一時の流行ではなく、今後も長く続くトレンドであることを示している。
米国では、缶ワインの消費者には、ミレニアル世代が最も多いということは想像通りではあるが、比較的にどのタイプのワイン愛飲家にも、そして、ビール・ファンにもアピールしていることは意外かもしれない。缶ビールと同じように、手軽に屋外に持ち出せる点が受け入れられている。
長年親しまれている伝統的な750mlワインボトルは、消費するのには多すぎるとの声も聞かれる。缶であれば、誰もが同じ飲み物をシェアする必要がない。赤を飲む人もいれば、白が好きな人もいる。そしてビール、あるいはシードルを飲む人もいる。さらに、より小さなサイズは、現代の低アルコール飲料を好むライフスタイルに適っている。
缶ワインの将来は、米国財務省のアルコール・タバコ税貿易管理局(Alcohol and Tobacco Tax and Trade Bureau:TTB)の規制により変わるかもしれない。ビール及びモルト飲料は、容器サイズ並びに販売形態に制限は全くない。しかし、缶ワインについては、現在、187ml、250ml、375ml、そして500mlのサイズに限られており、187ml と 250ml については、複数のまとめ売りしか認められていない。187mlと 250mlを飲み切りサイズとして個々に販売してほしいとの消費者からの要求もあり、TTBは、販売可能な缶ワインのサイズを拡張可能にする規制改訂について検討中であると伝えられている。

(Forbes, Aug.28, 2019)

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