米国コロラド州北部のクラフトビール醸造所に見られる、ハード・セルツァー人気
2019年 7月18日
セルツァー(炭酸水の一種)は、健康を意識する最近の米国消費者の間で人気が高まっているが、最近では、そのセルツァーにアルコールを加えたハード・セルツァーが、低カロリー、低糖度であることに加え、グルテンフリーであるものも多いため、米国で注目されている。特に、クラフトビール・メーカーが持つ醸造ライセンスでハード・セルツァーの醸造が可能であるため、製品の多様化を目指すクラフトビール醸造所が、ビールのラインナップに加え、ハード・セルツァーを手掛けるケースが増えている。クラフトビール醸造所が多く集まる米国コロラド州北部では、特にそのような醸造所が見られ始めている。
コロラド州州都デンバーの北に位置するラブランドを拠点とするクラフトビール醸造所、Verboten ブリューイング社もまたそのような醸造所の一つで、昨年、タップにハード・セルツァーを加えた。フレーバーを定期的に変えて提供しており、近いうちに、缶に詰めての販売も検討しているという。
コロラド州では、北部を中心に、昨年あたりより、“ハード・セルツァー”トレンドが高まっている。前出のVerboten社によるハード・セルツァー発売時期と同じ昨年11月に、やはり北部の街フォート・コリンズ出身のOdellブリューイング社がレモンライム・ハード・セルツァーを発売した。デンバーから北に伸びる高速道路25号線(I-25)沿いを中心に、その他2つの醸造所もまた、フルーティーなフレーバーのハード・セルツァーをそれぞれ発表している。
BOLDERBoulderマラソンやTaste of Fort Collins食と音楽の祭典など、今年開催されたコロラド州のイベントでは、従来、参加者に配布されているビールに加え、ハード・セルツァーがオプションとして加えられたことでも、ハード・セルツァーの高まる人気と、コロラド州のクラフトビール醸造所によるマーケティング手法がうかがえる。
2018年、ハード・セルツァー売上は、前年比169%増加したと報道されている。
(Coloradoan, July 10, 2019 / The Washington Post, Mar.12, 2019)