チェコで、缶ビール需要が急増中
2019年 7月16日
一人当たりの年間ビール消費量世界第一位の国、チェコ共和国のビールメーカーであるプラタン・ブリューワリー (Platan Brewery) 社が、増加の一途をたどる缶の需要に応えるため、最近、ドイツのKHS社の高いエネルギー効率を誇る缶充填ラインを据え付けたことを報告すると同時に、更に新たな缶充填機械への投資を計画していることを明らかにしている。
プラタン・ブリューワリー社の親会社であるLobkowicsグループは、プラタンを含むチェコの中規模ビールメーカー7社を傘下に収める企業であり、提供する地ビールの種類は70種に及ぶ。Lobkowicsグループは、現在、数年前より中国の投資グループCEFC社が所有する。
路地の居酒屋でビールを飲むという光景は、長年、チェコの日常生活の一部を成していたが、2017年、同国政府による飲食店での禁煙法施行、それに続く、飲食店における売上記録を促す電子システム導入により、飲食店は大打撃を受け、ビールの需要がしばらく低迷した。この事態は、しかし、その当時ケグで供給されていたビールが、飲み切りサイズの缶ビールで販売されるきっかけとなり、新しいトレンドが生まれる結果となった。
禁煙法施行までは、チェコで消費されるビール全体の50%が、醸造所によりケグに詰められ飲食店へ配送され、また、残りの45%がビンで、そして5%がプラスチック製容器や缶で供給されていた。
その後、缶ビール(主に330ml及び500mlサイズ)の需要は、増加の一途をたどっている。ほんの10年前には同国ビール市場の2.5%にも満たなかった缶ビールのシェアは、その後4倍の10%にまで膨らんだ。そして、2021年までには、そのシェアは20%になると、市場調査会社ユーロモニター社は予想している。
(The Canmaker, July 15, 2019)