積み重ね可能な缶で、パック不要に

2019年 6月27日

プラスチック・ゴミによる汚染についてあらゆる対策が各業界で検討され実施されている。飲料業界では、飲料缶6缶パックに使用されるプラスチック製リングホルダーを排除しようとの動きがある中、パックそのものを不要とする缶が開発された。
コロナ・ビール用に開発された“フィット・パックス(Fit-Packs)”と呼ばれる新しい缶は、缶底と缶最上部にネジ山を作ることにより、ある缶の最上部ともう一方の缶の底部を重ね、1、2回ひねると、二缶が連結するというものである。その結果、缶どうしを連結した状態で販売することができると同時に、パックそのものの必要性を全く排除する。
“フィット・パックス(Fit-Packs)”は、コロナ・ビールの醸造会社であるグルポ・モデロ社(メキシコ)の親会社、アンハイザー・ブッシュ・インベヴ社と、米国の広告会社Leo Burnett社により開発された製品である。現在、メキシコで試験中のフィット・パックスは、将来、他の市場への展開も予定する。
「プラスチックの使用を軽減する対策は多くあっても、結局は他の材料を使用することになる。その点、フィット・パックスは、パックのための包材を全く必要としない」と、アンハイザー・ブッシュ・インベヴ社はコメントする。さらに、フィット・パックスであれば、様々な缶数量で販売することが可能となる。フィット・パックスは、10缶を一本に連結できる強度は十分備えているとのこと。但し、10缶連続で重ねた場合には、全長4フィート(約1.2m)ほどになり、持ち運び易さを確認する必要はありそうである。

(Fox News, Jun.23, 2019 / CanTech, Jun.26, 2019)

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