米国クラフトビール下降の一方で、クラフト蒸留酒上昇が顕著に
2019年 6月11日
800社以上の米国製造会社を会員とするPackaging and Processing Technologies 協会(PMMI)が今回発表した報告書は、米国のクラフトビールとクラフト蒸留酒の醸造業界それぞれの異なる成長を明らかにしている。
2017年の米国クラフトビール売上は、前年比5%増。米国ビール市場でのクラフトビール出荷量ではシェア12.7%、売上高では23%をそれぞれ記録する。現在、米国で営業している醸造所は7,000社以上、2018年に開業した醸造所は1,049社、閉業したのは219社。
一方の米国クラフト蒸留酒は、前年比30%増、2018年時点で1,835の蒸留酒醸造所が米国で営業している。
クラフトビール・カテゴリーがピークを過ぎ、下降を見せ始めており、それに反比例するかのように、クラフト蒸留酒が、米国クラフトビールが過去10年間経験してきたのと似たような規模で、拡張時期に入ってきていると、PMMIは見る。クラフト蒸留酒醸造業界は、これまでのクラフトビールの成長パターンから学び、現在見られる急速な蒸留酒業界の拡張に警戒しならが、その営業規模を抑え、謙虚な生産目標を打ち立てていると言う。
クラフトビールの拡張は、現在では、他の様々な“クラフト”飲料への多様化を促進し、クラフト蒸留酒のみならず、ロースト・コーヒー、スペシャルティ・ティー、ハード・セルツァーなどの形態で市場を賑わし始めている。米国ではアルコール飲料の販売方法において、州毎で規制が異なるため、このようなクラフト飲料の多様化は、消費者にとって魅力的であるだけでなく、クラフト飲料醸造者側にとってもより必要となっている。
(Beverage daily.com, Jun.10, 2019)