ニュージーランド、ビール醸造ビジネス伸長
2019年 5月23日
ニュージーランドは現在、一人当たりのビール醸造所の数が、米国、英国、あるいはオーストラリアよりも多い(10万人に対して醸造所4.56。英国は同3.04、オーストラリアは同2.10、米国は同1.96)と報告されるほど、ビール売上が伸び、今や16億ドルをもたらすビジネスに成長している。
ニュージーランドのビール醸造所は218を数え、22,000人以上の職を生み出している。毎年、これらの醸造所は、2,000以上のビール新製品を発表しており、平均的な醸造所は、4年前に比べて2倍近く多く新製品を醸造していると報告されている。
ニュージーランドの醸造業界でもクラフトビールの増加、及び、ノン/低アルコールビールの増加などが顕著であり、多くの点で、米国で既に見られるトレンドに追随していると言える。
ニュージーランド産ビールの人気の秘密は、同国南島のタスマン地域で育つホップを原料とすることで、同国独自の特徴を出していることにあると見られ、海外から訪れる観光客によりおよそ2.42億ドルが同国産ビールに費やされ、同国の主要産業である観光繁栄にも寄与する結果となっている。
しかしながら、ニュージーランドで既に確立されているワイン業界が、同国産ワインの70%を輸出しているのに対し、同国産ビールの輸出は10%にとどまっている。他の市場から距離的に離れている点も難点となっている模様で、現時点では、隣国のオーストラリアが主な輸出先であり、中国がそれに続いている。今後、アジア地域を中心に輸出にも注力すると見られる。
(Beverage daily.com, May 19, 2019)