ノンアルコール・スピリッツ、英国での現状
2019年 5月21日
蒸留酒醸造会社、ディアジオ社による新規事業、ディスティル・ベンチャーズ(Distill Ventures)社が、8ヵ月にわたり、主に英国と米国市場に焦点を当て調査しその結果をまとめた“ノンアルコール飲料”の現状と可能性に関する白書を発行した。
以下は、その白書の概略の一部:
◇2018年10月時点で、英国で販売されているノンアルコール“スピリッツ(蒸留酒)”は42製品(同年発売されたプレミア清涼飲料の新製品数は271)。
◇英国消費者の61%が、ノンアルコール飲料の種類が増えることを望んでいる。
◇英国消費者の58%が、前年と比較しより多く、ノン/低アルコール飲料を飲んでいる。
◇英国のレストラン/バーの55%が、アルコール飲料メニューと同様に、独立した“ノンアルコール飲料”メニューを用意している。
◇英国では、消費者の59%が、夜、アルコール飲料を飲みながらも、ノンアルコール飲料も摂取している。一方、アルコール飲料のみを注文する消費者は29%にとどまる。
◇このトレンドは、英国が先陣を切っており、米国がそれに続いている。
◇米国では、ロサンジェルスで、ほぼロンドンと同様のレベルで、このトレンドが見られる。
◇ロサンジェルスでは、カクテルバーの3分の1、レストランの40%が、ノンアルコール飲料メニューを用意している。一方、ニューヨークシティでは、最先端を行くバー/レストランであっても、ノンアルコール飲料メニューを持つのはそのうちの5分の1以下にとどまる
◇ノンアルコール飲料は造るのが容易との誤解が一般的にあるが、実際には、アルコール飲料から得られる味を維持しながらノンアルコール飲料を造り出すのは難しい。例えば、コールドブリュー・コーヒー、ティー、コンブチャ等の発酵茶、自家製果汁コーディアル、シロップ等を駆使するなど、バーテンダーによる創意工夫が試される。
(The Spirits Business, May 16, 2019)