米国人は再びビール好きになるか
2019年 4月18日
米国人はビールを飲まなくなったと言われてしばらく経つ。ハイネケン社は、それを何とかしようと画策している。
過去4年の間に、米国人のビール消費量は5%減少、その一方で、ワインや蒸留酒の売上は上昇している。
しかし、ハイネケン社は、アルコールを全く含有しないビールであるハイネケン0.0が、今後、健康に良いとされる製品に注目する昨今の米国消費者にアピールすると見る。
ハイネケン0.0は、開発に5年をかけている。ビールからアルコール分を排除する際、フレーバーやアロマもともに取り除かれる懸念があるが、ハイネケン社は、それを損なわないビール開発を目指した。ハイネケン社は、ノンアルコール・ビールを、通常のビールが何らかの理由で飲めないために仕方なく選ぶものではなく、消費者が、美味しい飲料として積極的に選ぶ製品になることを望んでいる。
155年の歴史をもつオランダのビールメーカーは、ハイネケン0.0をまずオランダとドイツで2017年に発売し、都会的で高級志向の若い世代の注目を集めていると言う。現在、ハイネケン0.0は、国際的に展開しており、英国ではハイネケン社全体の売上高の5%を、スペインでは7%を、そしてロシアでは20%を占めるにいたっている。
ハイネケン社を始めとするノンアルコール・ビールを持つ企業は、これまで、米国では受け入れられにくいという理由で、米国市場への参入に躊躇していた。昨年でも、ノンアルコール・ビールのシェアは、米国ビール需要全体のわずか0.3%を占めるに過ぎなかった。ハイネケン社は、これを理由に、米国市場にはノンアルコール・ビールが伸びる余地はあると見て、今年1月、ハイネケン0.0の発売に踏み切った。今年最初の3ヵ月間で、米国におけるノンアルコール・ビール売上は、前年同期比6.6%増えたことを、ニールセン社は報告している
(弊社業界情報2018年11月27日付に関連記事)
(FOX2now, Apr.15, 2019)