ビールメーカー、プラスチック製マルチパック及びシュリンクラップを排除
2019年 4月16日
酒造会社、ディアジオ社(英国)は、プラスチックが環境に与えている影響を懸念し、アイルランドと英国の同社工場で醸造される旗艦ビールブランド、ギネス(Guinness)のマルチパックにおいて、プラスチック製のリング・キャリア及びシュリンクラップの使用を一切止め、生物分解可能な材料を原料とする厚紙製スリーブに代えることを明らかにした。
約2,100万ドルを投じて実施されるこの移行は、今夏、アイルランドと北アイルランドにてまず実施され、来年、英国の残りの地域へと展開される。この移行は、世界の他の国々のギネス醸造工場については含まれていない。ギネスビールは、およそ50ヵ国で醸造されているが、ディアジオ社が所有するのは、そのうちの5ヵ所 - アイルランド、マレーシア、ナイジェリア、ガーナ、及びカメルーン - のみである。
プラスチックを全く含有しないマルチパック包装は、来年より、米国、カナダ、欧州、トルコ、日本、中国、南米、中東、オーストラリア、ニュージーランドを含む100ヵ国以上の国々へ輸出される予定である。
他の著名ビール醸造企業の一部も、プラスチックを包装から排除する動きを見せている。カールスバーグ社(デンマーク)は、缶のマルチパックに、接着剤を利用するものに代えることを発表し、また、アンハイザー・ブッシュ・インベヴ社は、同社のコロナ・ブランドにプラスチックを含有しないリングの採用を試みている (弊社業界情報2018年9月20日付、及び、 2019年3月12日付に関連記事)。
ギネス・ブランドが現在使用するプラスチック量は、その包装全体の5%を占めるに過ぎないものの、2030年までには、ボトルに使用するプラスチック全てをリサイクル可能なプラスチックのみにする目標を掲げている。
(just-drinks.com, Apr.15, 2019 / The Canmaker, Apr.15, 2019)