ビール缶パック用のプラスチックリング廃止の傾向
2019年 3月12日
世界最大のビールメーカー、アンハイザー・ブッシュ・インベヴ社傘下のカールトン&ユナイテッド・ブリューワリー (以降CUB) (オーストラリア)社は、同社がオーストラリアを中心に販売するビクトリア・ビター&カールトン・ドラフトビール6缶パックにおいて、従来のプラスチック製リングの使用をやめ、今後、厚紙のみで作られたパックで販売開始する。
ビール缶を6缶パックにして販売する際、缶どうしをまとめる役割を果たすプラスチック製リングに代えて、厚紙を利用することにより、最終的にゴミとして残る、年間最高250万個にも及ぶプラスチックリングの数を減らすことに狙いがある。
CUBはまた、環境保護方針の一環として、缶ビール・パック用シュリンククラップに代わり厚紙製のパッケージを使用することも明らかにしている。
プラスチック製リングを使用しない動きは、他のビールメーカーにも既に見られる。ビール・ブランドのコロナは、昨年、植物繊維を原料とする6缶用パックリングの使用を開始した。消費後、パックリングを廃棄した場合でも生物分解されるため、ゴミとして残ることはない。一方、デンマークのビールメーカー、カールスバーグ社は、6缶をまとめる特殊接着技術を使用したスナップパックを発表した(弊社業界情報2018年9月20日付に関連記事)。これは、一般的なマルチパックで使用されるプラスチック量を76%まで削減する。このスナップパックの開発に対し、同社は、昨年、世界飲料イノベーション・アワードにて、ベスト・サステナビリティ・イニシャティブ賞を受賞した。
(FOODBEV MEDIA, Mar.12, 2019)