米国のバーで、アルコールドリンク・サーバー拡張の兆し
2019年 2月19日
“ポア・マイ・ビール(Pour My Beer)”システムは、タッチスクリーンで選択しRFIDカードを挿入しさえすればビールが自動的にグラスに注がれすぐに味わえるという、バーテンダーいらずのアルコールドリンク・サーバーである。
ポア・マイ・ビール・システムは、既に全米で184ヵ所、海外でも45ヵ所のスペース - その大半がバーかレストラン- に設置されている。
このシステム発想の根拠は、まずバーテンダーの注意を惹くことが始まりその後5,6つの段階を踏まなければ飲み物にありつけない、米国の典型的バーでの注文方法の面倒さにあったという。
消費者に見えるように、ビールのタップ(蛇口)が壁に並ぶ。タップの上方にタッチスクリーンとカード・リーダーが配置されており、プラスチック製RFIDカードを受け取った消費者がタップ上のタッチスクリーンを操作したのち、カードを挿入する。グラスに注がれた量の分だけカードにチャージされる。少量の試し飲みも可能である。
ポア・マイ・ビール・システムが提供する利点は、注文の容易さだけではない。オーナーにとっては、ひと樽につき最高142ドルの節約も可能となる。このシステムはまた、どのタイプのアルコールドリンクにも対応する。ミックス・カクテルやシードルは特に人気が高い。
今年、ポア・マイ・ビールは大規模なミュージック・フェスと提携することも計画中である。1日に百万ドル近い飲料が消費されるイベントであり、これまで必要としていたバー要員を50~60%減らせるという。将来には、大都市で人気が高まるオフィス共有スペース、あるいは、ホテルに設置するなど、活用の幅を拡張できる潜在能力を持つ。さらに同社は、オーナーや飲料業界にとり消費者傾向を知る貴重な情報となる消費者の年齢、性別、郵便番号、飲料の嗜好などのデータ分析の提供も視野に入れている。
(Beverage daily.com, Feb.18, 2019)