米国、ビール売上減少とノン・アルコール飲料の高まる人気

2019年 1月31日

米国人は、昨今ますますアルコール飲料を遠ざけ、世界のメジャー・ビールメーカー及び蒸留酒メーカーに、従来のアルコール飲料を超えた、ティー、エナジードリンク、そしてノンアルコール飲料を開発・販売させるほどの危機感を与えている。
最新調査では、米国のアルコール飲料出荷量は、昨年には前年比0.8%減少し、2017年の同0.7%減よりもさらなる減少を見せた。中でもビールの減少が顕著で、2018年には同1.5%減(2017年は同1.1%減)を記録し、また、ワイン及び蒸留酒においても伸びが鈍化した。
これは、特にミレニアル世代の“適量の飲み”あるいは“完全に飲まない”を実践するアルコール飲料離れの傾向によるところが大きい。
これに対し、アルコール飲料メーカーは、多様化を試みている。モルソン・クァーズ社は、発酵飲料コンブチャに、バドワイザー・ブランドを持つアンハイザー・ブッシュ・インベヴ社はココナツウォーターに、そしてウォッカのスミノフを持つディアジオ社はアルコールフリーのジンに、それぞれ焦点を当てるといった具合である。
人々との関わり方が、今の若者世代と両親の時代とは異なり、現在、そこに介在するアルコール飲料の量は減っている。コーヒー・ショップも、両親の時代には今ほど遅くまで営業していなかった。
アルコール飲料売上は、米国一部の州での大麻合法化に伴い、さらに減少するのではないかと懸念する業界関係者もいる。
ノンアルコール飲料は、既に、出荷量全体の10%以上を占めていると言うアンハイザー・ブッシュ・インベヴ社は、最近、米国コロンバスとデトロイトにて、バドワイザー・プロヒビション・ブリューと呼ぶ、同社の旗艦ブランドのノンアルコール版の販売を開始した。これから5年の間に、ノンアルコール・ビール出荷量は、米国にて9.3%伸びると、調査会社ユーロモニター社は予測している。(弊社業界情報2018年11月27日付、2019年1月17日付に関連記事)

(The Wall Street Journal, Jan.24, 2019)

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