米国ビールメーカー、ノンアルコールビールに注力

2018年11月27日

アルコール飲料の消費量を控える人々の数が増えている。
“NEAR BEER”とも呼ばれる低/ノン・アルコールビール(以降、NAビール)市場は、世界全体で、2024年までに倍増すると予想されている。例えば、NAビールで世界第二位の規模を誇るドイツでは、2011年から2016年の間、ビール全体の売上が低迷しているにも関わらず、NAビール消費量は43%増加した。中国では、2016年に新発売されたビールのうち約30%がNAビールであった。一方の米国国内のNAビール市場は、現時点では非常に小さく、小売店販売全体の0.3%を占めるに過ぎない。しかし、その状況も変わりつつある。
米国で、成人人口の30%を占める、お酒を飲まない人達に向けて、ビールメーカー、ハイネケン社とパプスト社は、2019年第1四半期に、NAビールを発売する計画があることをそれぞれ発表した。
アンハイザー・ブッシュ・インベヴ社とモルソンクァーズ社は、カナダ市場向けのNAビール発売をそれぞれ発表した。同時にアンハイザー・ブッシュ・インベヴ社は、同社が世界で販売するNAビール製品の割合を、昨年の8%から、2025年までに同社全体の20%にまで増やすことを明らかにしている。一方、ハイネケン社は、米国事業において、2023年までに全体の5%までNAビールを増やす計画である。ハイネケン社は、既に他国ではこのコンセプトを成功させており、ロシア事業では20%、スペインでは7%、そして英国では5%と、NAビールの売上に占める割合を着実に増加させている。
米国のクラフトビール業界においては、アルコールフリービールに特化した新規事業者も現れている。
これまでほとんど開拓されることのなかったNAビール・セクターであるが、そのNAビールを、今、
米国の若者の多くが求めている。

(Brewbound, Nov.19, 2018)

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