ロシアの飲料缶市場、夜間販売禁止令解除の可能性も伴い、回復の兆し
2018年11月22日
現在、ロシアでは、夜11時から朝8時の間(都市によってこの時間帯は多少異なる)、アルコール飲料販売を禁止している(弊社業界情報2015年8月25日付、 2017年1月6日付に関連記事)が、アルミ缶ビールに関しては、この禁止令から除外する動きが見られている。
ロシアのアルミ生産会社Rusal社のロビー活動が功を奏し、先月10月に缶ビールの夜間販売禁止を解除する法案がロシア貿易産業省により提出された。
ビールメーカー、カールスバーグ社傘下のロシアのビールメーカー、バルチカ社は、今年第3四半期には前年比4%増の売上高、6%増の販売出荷量を報告しており、今回のアルミ缶ビール夜間販売禁止が解除となれば、非効率的且つ不必要な業界規制の慣習排除に向けて一歩の前進となると、また、アンハイザ-・ブッシュ・インベヴ社とその傘下のエフェス社(トルコ)は、ビール生産量及びアルミ缶購入量増加に加え、ロシア国内の販売チャンネル拡張にも期待が高まると、それぞれコメントしている。
一方、2017年、ロシアの清涼飲料消費量も伸びを見せ、前年比6.7%増加した。ロシアの清涼飲料では、その52%を炭酸飲料・果汁飲料が占める。
これらはすべて、ロシアに飲料缶製造工場を有するボール社及びキャン・パック社にとっても、良い知らせである。ロシアでは、ボール社が3工場/年間生産能力65億缶、また、キャン・パック社が2工場/年間生産能力10億缶をそれぞれ有している。
今後のロシアでのアルミ飲料缶増加に期待したいものの、販売禁止解除の法案の行方についてはいまだ定かではないと見る製缶業界関係者もいる。
(The Canmaker, Nov.14, 2018)