再生材30%以下のプラスチック包装への課税の可能性、英国
2018年11月 1日
英国政府は、2022年に、“プラスチック包装税”を施行する可能性を示唆した。この課税は、再生材料使用量が30%以下の使い捨てプラスチック包装全てに適用され、プラスチック製のボトル、トレイ、ポットも対象となる。
この使い捨てプラスチック包装税から得た税収は、廃棄物処理のために費やされる予定で、現時点で、英国消費者の50%以上が、この課税に賛成していると言われている。
プラスチック包装税の計画をこの時点で発表することにより、リサイクルの容易なプラスチック包装の設計及び使用を奨励すると同時に、リサイクルが難しいとされる、例えば食品トレイで使用される黒色のプラスチック等、の使用を控えさせる目的もある。
英国で毎年使用されるおよそ226万トンに及ぶプラスチック包装の大半が、価格が安いという理由で、再生材料ではなく全く新しい材料から作られているのが実情であるが、今回発表された包装税では、再生材の使用料が30%以下であれば課税の対象となる。リサイクル済みPET、いわゆるrPET価格は、今年上昇傾向を見せている上に、大量のプラスチックゴミを既に過去数年にわたり輸出していることも含め、リサイクルのインフラが未だ限定的である英国では、特に高純度の再生材を要する食品・飲料や医薬品業界にとり、今回の包装税に対応する以前に対処すべき課題が多く、結果的に、これらの業界にコスト増を招くのは必然と見られている。
(Beverage daily.com, Oct.30, 2018 / PackagingNews, Oct.31, 2018)