ペプシコ社のソーダストリーム社買収は、清涼飲料業界を変えるのか
2018年 9月13日
先月報道された飲料メーカー、ペプシコ社による家庭用炭酸飲料メーカー、ソーダストリーム社の買収は、清涼飲料業界が辿る道を示していると指摘する関係者もいる。
炭酸飲料ブランドを家庭で作るという考えは、プラスチックの環境汚染が頻繁に取り上げられている今日、そのような深刻な問題の解決につながるものであることは、誰もが否定できない。
ライバルのコカ・コーラ社が、4年前、家庭用コーヒー・マシン・メーカーとポッドで米国コーヒー業界を塗り替えていたキューリグ社(弊社業界情報2015年10月1日付に関連記事)とともに、家庭で炭酸飲料を作れる新製品キューリグ・コールド販売を試みたが、マシン本体価格の高さのみならず、飲料の元となるポッドの価格もまたRTD飲料と比較して高すぎることもあり、売上を伸ばせず失敗に終わった。その間、危機感を覚えたペプシコ社が目を向けたのがソーダストリーム社であると言われる。
この買収で、ペプシコ社は、これまで公表している“環境への負荷削減”を推進し、健康に良いとされる飲料消費方法を発信するだけでなく、自身の炭酸飲料への依存軽減を実現しつつある。
今後ペプシコ社が直面する課題は、消費者自身が家で作る飲料が最適な状態で消費されることを確実にすることである。これが達成されれば、ソーダストリームは、炭酸飲料市場を大きく変える可能性が高いと思われる。そして将来、ソーダストリームの機能を装備した家庭用冷蔵庫が出てくることも考えられる。作れる飲料は炭酸飲料に限らず、コーヒー、ティー、スポーツドリンク等にも広がるであろう。
一方、キューリグ・コールドは目標達成を見ず終わったものの、コカ・コーラ社はこのアイデアを全く捨てたわけではないはずである。アトランタで新システムの開発が着々と進められているのかもしれない。
(just-drinks.com, Sept.13, 2018)