ハイネケン社、ABインベヴ社を追うには危険が高過ぎる中国市場?
2018年 8月 7日
多くの企業が、中国の無限大と思われる潜在力に魅了され進出する。そして撤退に終わる例は、ここ30年の間に数えきれないほど多くある。
オランダのビールメーカー、ハイネケン社は、先週末、売上世界一のビールブランド Snowを供給する世界最大のビールメーカー、CRビール社(Chinese Resources Beer)の株20%を取得し、その見返りに、およそ31億ドルを同社に投資することを発表した。
世界192ヵ国で販売されるハイネケン・ビールは、中国ビール市場ではシェア0.5%にしか至らず、同国のプレミアム・ビール市場においてもわずか5%を占めるほどの存在である。これでは、中国で既に16%のシェアを持つライバルのアンハイザー・ブッシュ・インベヴ社と張り合うには長い時間がかかりそうである。
中国ビール市場は、ハイネケン社が供給する他の多くの国々にように2,3社のみが独占するというような市場ではない。それとはむしろ対照的に、中国は、地域のビールメーカーによる影響が未だに色濃く残る場所である。旅をする者にとっては各地域で新しいビールを発見するという楽しみとなるが、ビールメーカーにとっては厳しい環境である。ただ、ビールメーカーの吸収・統合は始まっていることも確かである。
中国は、ビール市場としては最大であるものの、企業にとっては得られる利益が世界で最も低い市場の一つであるともしばしば言われる。中国の中産階級の増加がなお続き、国際的ブランドへの渇望があることは、バドワイザーの伸長が証明している。ハイネケン社が望むことは、少なくともこのトレンドが中国で長く続くことである。
(just-drinks.com, Aug.3, 2018)