米国ビール、売上増減入り混じる状況

2018年 7月24日

米国アルコール飲料市場では、ビールが依然独占しているものの、ここ5年の間に、消費者が、世代を問わず、アルコール飲料全体への出費を増やさず、ワインや蒸留酒の消費量を増やしたため、米国のビール売上は不安定な状態に陥っている。
2017年年末までの1年間のビール消費量では、“プレミアム” と “準プレミアム”のビールがともに前年比売上減になった一方で、“スーパー・プレミアム” ビールが前年比2桁の売上増を記録した。これこそが、アナリストが米国ビール市場で確認している新しいトレンドである。過去5年~10年間、各ブランドが個性を強調し、フレーバーの豊かさを特徴とするビール、つまり、クラフトビールに代表される高級ビールがその売上を伸ばしている。そして、輸入ビールもまた、米国ビール全般の売上減を相殺しているもう一つのビールである。
しかしながら、2016年あたりから、クラフトビール醸造所の激増により、現在、米国クラフトビール市場は飽和状態に近づいており、クラフトビール・メーカー間での競争も激化している。そのような中、現状打破を試みるクラフトビール・メーカーは、長時間の会合・食事のあいだ、何杯でも爽やかに美味しく飲めるビール、つまり、アルコール含有量/カロリーの低いビール、女性にも受け入れられ易いビールの開発に注力している。

(Beverage Industry, July 11, 2018)

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