米国クラフトビールが次に向かう “第3のスペース”

2018年 3月 8日

酒屋やコンビニなどで販売されるオフ・プレミスのクラフトビールの消費は、最近失速気味である一方、オン・プレミスでの消費は、依然好調であると報告されている。が、それは従来連想されるレストランやバーでの消費から少しずつ変化しているようである。
米国労働省労働統計局によれば、2001年から2016年の間、毎年徐々に、オン・プレミスの代表格であるバーの数が減少傾向にある。そして、それに代わりほぼ同じ割合で増加傾向にあるのが食事を中心にアルコール飲料も提供される場所である。米国ブリューワーズ協会 (以降、BA) (米国クラフトビール業界を支える代表的組織) は、この移行を、オフ・プレミス、オン・プレミスに続く “第3のスペース” として、そこでのクラフトビール売上の伸びを期待する。
第3のスペースとは具体的には、家や職場ではない、一種のコミュニティを連想させる場所であり、“公共スペース”に似たような場所である。それは例えば、コンサート会場、スポーツ・イベント会場、美術館、動物園であったりするとBAは描写する。
その中でもクラフトビールの第3のスペースとして最も象徴的な場所は、ビール醸造所に併設されるテイスティング・ルーム(Tasting Room)である。テイスティング・ルームは、消費者のクラフトビールへの関心を高めるのに大きな役割を果たしているとBAは指摘する。
狭いバーから、家とは異なる、より広い構想を持つ場所へとその焦点を移行させることで、上向きの売上を見込めるとBAはコメントしている。

(Beverage daily.com, Mar.6, 2018)

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