米国クラフトビール・メーカーの今後、 買収から提携・投資へ
2018年 2月27日
米国のメジャービール・メーカーがクラフトビール・メーカーを買収するペースが緩やかとなり、ビール業界での買収競争という第一ラウンドはほぼ終わりに近づいてきたと言える。そして第二ラウンドは、買収とは異なるタイプの取引を通じて、クラフトビール・メーカーは成長していくと、米国の飲料アナリストは予測する。
米国では、クラフトビール売上は、現在でも、年5~6%の安定した伸びを見せているものの、以前のような年間2桁増という成長はもはや過去の話である。そして今後は、クラフトビール業界内での価格競争が重要な戦略的要素の一つとなると予想される。
それに伴い最近見られ始めている 第二ラウンド に特徴的な動きは、クラフトビール・メーカーへの小規模投資、国内と海外クラフトビール・メーカー同士の連携、出資によるクラフトメーカー育成である。いずれの動きも、クラフトビール・ブランドが既に持つアイデンティティーを変えず、そのまま活かすというものである。
具体的には、異なる地域で活躍する複数のクラフトビール・メーカーによる業務提携である。運営を連携することで、各々の地域での売上を伸ばし、販促活動を広げることを目指す。一方、出資によるクラフトメーカー育成では、消費者から見ると、以前と変わることのないクラフトビール・メーカーに見える点が重要であり、利点として働く。
米国クラフトビール業界は、今後もしばらくの間、新規参加者を迎え、その規模を拡張していくと見られる。
昨年、米国におけるクラフト/マイクロ・ビール醸造所の営業申請は1,100件を超えたと米国ブリューワーズ協会は報告している。
(Beverage daily.com, Jan.31, 2018)