米国清涼飲料の行方

2018年 1月18日

米国及び欧州では、昨今の消費者の健康志向を受けて、砂糖の入った炭酸飲料(CSD)の売上が減少している。そして現在、アフリカが、世界の中で最も速いペース - 前年比4.7%増 -で、砂糖入り炭酸飲料売上を伸ばしている。急成長のアフリカに続くのが、前年比4.5%増の中東、同3.8%増のアジア・太平洋地域である。そして、CSDの消費量においては、メキシコが、既に米国を抜かし世界一となっており、2022年までには、アルゼンチン、及び、チリが、さらに米国を抜くと予測されている。
この統計結果は、米国の小売店売場における飲料用スペース全体が縮小しているということを意味するものではない。飲料用スペースはむしろ拡張しており、砂糖入り炭酸飲料に代わり、広がった飲料用売場スペースには、多岐にわたる飲料が陳列されている。北米市場で現在、唯一安定した成長を続ける飲料とされる RTDティー/コーヒー、及び、ボトルドウォーターは、その中に含まれる飲料である。
米国の飲料市場で起きているもう一つの大きな変化は、消費者によるeコマース利用の増加である。現時点では、米国における食品/飲料売上全体の2%を占めるにしか至らないeコマースではあるものの、2020年までには5%まで増えると見られている。米国世帯の64%がアマゾン・プライム会員であることを考えると、今後、飲料は、アマゾンの食品/飲料カテゴリーの中で購入アイテムとして急速に伸びると予測される。米国飲料業界は、物流の面でも、大きな変化に備えている。

(The Canmaker, Jan.16, 2018)

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