それでも、米国人の飲料摂取カロリーは減らない

2017年12月28日

近頃アメリカン・ベヴァレジ協会が発表した2016年統計報告で、米国人は、2016年に1日平均 201 カロリーの飲料を摂取し、その数値は、前年2015年よりわずかではあるが増えたことが明らかになった。米国人の肥満傾向の問題を受けて、2025年までに一人あたりの飲料カロリー摂取量を20%削減し、飲料からの摂取カロリーを1日161カロリーまで下げることを目標に掲げる米国清涼飲料メーカーにとっては、思うような成果が表れていないことを示す結果となった。
米国では、ボトルドウォーターの消費量が急増 (弊社業界情報2017年3月16日付に関連記事) しているにも関わらず、2015年よりも飲料のカロリー摂取量が増えたのはなぜか。
米国では、高糖度炭酸飲料やジュースの消費量が確実に減っている一方で、スポーツ飲料、エナジードリンク、RTDティー及びコーヒーの消費量は増えており、米国消費者は、これらの飲料から多くのカロリーを摂取している。スーパーでボトルドウォーターを購入する一方で、米国人は、レストランやファーストフード店に設置されているファウンテン・ドリンクを消費し、結果的に摂取カロリーを増やしていると最新調査は報告している。
飲料メーカーは、これまでの所、低カロリー飲料の導入で、飲料売上の大部分を占める小売店チャンネルに焦点を当ててきた。ソーダ・ファウンテンはノズル数が限られている、あるいは、レストランは売れる飲料を優先的にファウンテンに入れるなどの理由で、飲料メーカーにとっては、外食産業への低カロリー飲料導入は小売店の場合のように容易には進まず、今後のひとつの課題となっている。

(The Wall Street Journal, Dec.22, 2017)

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